高雄病院の漢方治療ついて
漢方医学による治療実績35年。生薬・煎じ薬を用いた高雄病院の漢方治療について簡単にご説明致します。
高雄病院の漢方治療
漢方は、原因がわからない病気に対しても、気の流れや血の流れをスムースにして五臓六腑の機能を整えて自然治癒力を高め、根治に結びつけることができます。また、漢方的な熱や湿を生薬でとってやると、関節の痛みや、皮膚炎が良くなることが多いのです。西洋薬でとりあえず症状をコントロールし、漢方薬で根治をめざすという役割分担です。
漢方治療が注目される理由
高雄病院には、西洋医学単独では治りにくい様々な現代病の漢方治療を求めて、京都市内はもちろん全国からたくさんの患者さんがやってこられます。たとえば、厚生省が難病に指定しているMCTD・潰瘍性大腸炎などをはじめとして、ネフローゼ症候群、気管支喘息、慢性関節リウマチ、過敏性腸症候群、花粉症、不妊症、生理痛、冷え性、肝炎、じんましん、アトピー性皮膚炎など 臨床各科にまたがる患者さんたちです。
漢方は人を診る医学
漢方には西洋医学にはない独特の理論や専門用語があり、同様に漢方独自の診断名があり証(しょう)と呼んでいます。例えば喘息というのは西洋医学から見た病名です。
漢方では喘息のことを哮喘(こうぜん)と呼んでいますが、その証は人によって様々です。ですから人によって処方も異なるのです。漢方が病よりも人を診る医学であると言われるゆえんです。
漢方治療において大切なによる四つの診察
漢方の診察は医師による診察が大切です。望診(ぼうしん:顔色、表情、舌などを観る)、聞診(ぶんしん:声調を聞き分けたり、体臭を嗅ぐこと)、問診(もんしん:患者さんの話を聞くこと)、切診(せっしん:脈やお腹、ツボなどに触れること)の四つにまとめられるので四診(ししん)と呼んでいます。四診によって証(しょう)を判断し漢方処方を決めるのです。
脈からわかる様々な「表情」
脈診は切診の一つですが、漢方の診察で脈診は特に重要です。脈には個性的な「表情」があります。叩き上げるような滑脈(かつみゃく)、突っ張ったような弦脈(げんみゃく)、滞ったような渋脈(じゅうみゃく)などなど。さらに、診察を受けた方は分かると思いますが、当院の医師は三本の指でそれぞれの脈の触れ方を探っています。それぞれに意味合いが異なるからです。脈診と他の四診の情報を総合して証を決めるのです。
舌は体をみるための窓
漢方、特に中医学では舌は体表から体内の状態を観察する窓として考えています。舌苔(ぜったい)といって舌の上に広がる苔の状態は、人様々で、分厚い黄色でねっとりの人も、薄く白い人もいます。舌質(ぜっしつ)は舌の粘膜そのものを指し、適度なピンク色が正常ですが、紅い人も、白っぽい人も、暗い斑点のある人もいます。それぞれに漢方的な病態が異なるからです。
お腹にあらわれる体のこと
お腹の病気で診察を受けに来たわけでもないのに、お腹の診察をするのは、お腹の表面の緊張状態や温度変化などが臓腑(ぞうふ)など体内の病態が反映されるからです。西洋医学の腹診では医師が手をグッと深く押さえ込んで直接肝臓や腫瘍を触れようとしますが、漢方ではむしろ腹壁に現れる変化を重視しているわけです。四診の他の情報と合わせて証を決めていくのです。
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