毎日の食事から考える「漢方の食養生」
様々な食材の食養生

白米か玄米か?
健康ブームにのって玄米食が見直されています。玄米食には利点があります。白米よりも吸収が遅く血糖症状のスピードが遅いので、インスリンの過剰分泌が起こりにくいのです。ですから、一般にメタボの人には玄米食はお勧めです。ただし、玄米を食べて下痢をしたり胃もたれをするようならば白米を基本に少し幾つかの雑穀を混ぜることをお勧めします。高雄病院では医師の管理指導の下で糖尿病の治療に糖質制限食を勧めています。その時には主食の御飯やパンを制限するのですが、どうしても食べたい人には白米やパンではなく玄米をお勧めしています。

寿司のガリと刺身のツマ
寿司と刺身は和食の代表選手みたいなものですが、薬膳の知恵が活かされています。寿司のガリと刺身のツマとして利用される生姜(ショウガ)、紫蘇(シソ)、大根もそうです。これらが薬味(やくみ)と呼ばれるのは、お薬として食べるからなのです。生魚を食べると胃が冷えて湿気が溜まって胃の働きを低下させます。生姜、紫蘇、大根は胃を温めて湿気を除き、消化不良や胃もたれを防いでくれるのです。

葱(ネギ)の効用
ネギ、特にすき焼きなどに用いる太い根深ネギの白い部分は漢方薬として使うことがあります。ネギは体を温めて気や血の循環を改善してくれます。冬の鍋料理にはネギは必ずはいりますが、これは体を温め初期のカゼも散らしてくれるからです。特に寒い日にはキムチのような辛いものと、ちょっぴりお酒を加えるとさらにこの作用が強くなります。ゾクゾクっと寒気のするカゼにはこんな鍋料理で薬膳治療ができますよ。

バナナの朝食は?
最近、忙しくて朝食にバナナという若い人が多くなっています。バナナは南方系の食材です。体を冷ます性質が強いので、熱帯地方の人が食べてバランスがとれます。温帯で湿気の多い日本では毎日食べていると胃腸を冷やしてしまいます。バナナを食べるとお通じがあるというのは、その通りですが、それは胃腸を冷やして出しているのであって、漢方的に見ればかき氷やアイスクリームでお腹を冷やして下痢するのに似ています。長期間食べていると、バナナ無しではお通じがつかなくなったり、恒常的に下剤に頼ることになります。漢方的にバナナが向く体質の人は日本人ではごく一部です。もともと日本(温帯)で育つ季節の果物が望ましいのです。

水分摂りすぎはダメ
毎日水を2リットル飲んでいます、などという患者さんが時々おいでます。ご本人は健康のためと思っていても、漢方的には不健康そのものです。真夏にたくさん汗をかいた時など、結果的に2リットル近く飲まないといけない場合もありますが、例外的です。人体は水が不足すれば喉が渇くようにできてきます。自然に喉の感覚で、渇きが癒される程度に飲めばちょうど良いのです。漢方では過剰な水分摂取が起こすさまざまな病気があると考えられています。

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